【初級編】ホテルの宴会サービスとはどんな仕事?教えて!

ホテルには料飲サービスと呼ばれる部門があります。読んで字のごとく、料理と飲み物を提供するサービス部門を指しますが、ホテルの場合はレストランサービスと宴会サービスに分かれます。今回は宴会サービスとして活躍をしている方に取材をしましたのでご案内いたします。

宴会サービスのお仕事とはどんな仕事?

料理や飲み物の給仕をするという点では、宴会サービス・婚礼サービスもレストランサービスもサービス内容はそれほど変わりません。では宴会サービスの大きな特徴は何かといえば、何もない空間だけの宴会場からお客様の要望に合わせて会場づくりから始まることと、決まったスケジュール(時間)に沿ってサービスを提供するということになります。言い換えると時間的な制約がある中で行うサービスということです。

まずは宴会の業務の流れをご説明します。最初に営業職がお客様からヒアリングした内容をもとに作成した受書(うけしょ/指示書)が宴会サービス事務所に届きます。宴会サービスはそれに沿って会場づくりや什器・備品の準備をします。毎年ご利用を頂いている宴会であれば、慣れた手順で準備ができますが、初めてご利用を頂くお客様については、行き違いが無いように営業によく確認をして会場設営をする必要があります。

宴会当日は、会場の準備を整えお客様の受け入れをします。会場入り口付近でお客様を出迎え、場合によってはウェルカムドリンクを提供することもあります。また席が決まっている宴会ならば席までご案内をいたします。開演すると、ご挨拶に立つお客様に合わせてマイクの高さの調整をします。その後、予定通りのタイムスケジュールで進行しているなら問題ないですが、予定より早まったり遅れたりした場合は、宴会キャプテンがその都度調理場に連絡を入れます。調理場はタイミングよく料理が提供できるように、食事開始予定時間から逆算して調理を始めているからです。食事がコース料理の場合、お客様全員に同じタイミングで料理を提供します。ただお客様によって召し上がる速度は違うものです。遅い方に合わせているといつまでも料理の提供が進みませんので、宴会キャプテンはおおよその方が食べ終わりそうなタイミングを見計らって調理場に次の料理を出してもらうように連絡をします。宴会が滞りなく進み閉会となりましたらお客様に退室していただき片付けに入ります。通常は片付けや掃除機掛けが終わったあと、次の宴会の図面に従い会場づくりをします。ただ例えば会議のあと、同じ会場で宴会を開催する場合などは、他部署からも人を呼び寄せて一気に準備に取り掛かります。およそ2030分もあれば片付けと次の宴会の準備をすることが可能です。これをホテル業界では「どんでん」と呼びます。「どんでん返し」の略称ですね。

婚礼のサービスについては通常の宴会と会場づくりやサービス手法にそれほど大きな違いはないですが、会場のつくりによっては、新郎新婦の入場の際などに、サービススタッフがスポットライトを当てることもあります。

宴会サービススタッフが注意していること

お客様は宴会にせよ婚礼にせよ、多額のお金を払ってホテルを利用しています。ご招待しているお客様に満足をして頂けるように幹事も新郎新婦も気を使っています。宴会サービススタッフは万全の配慮をしてサービスを心掛けることはもちろんのこと、受書には書いていない事項も想像を働かせ、お客様自身が気づかなかったことも様々手配することがあります。また持ち込まれた資料や備品などについては、汚れたり壊れたりしないように厳重に管理します。食事について事前にアレルギーのある方の対応を求められたりしますが、まれに人違いということが発生します。これも幹事などからの情報を鵜吞みにせず、該当するお客様に直接確認をする必要があります。

宴会サービスのやりがい

宴会のお客様がリピートして頂けるかどうかは、営業の対応力も勿論ありますが、何と言っても宴会サービスの当日のサービスの出来にかかっていると言えるでしょう。幹事はじめ列席のお客様がご満足を頂ければ「じゃあ来年も宜しく!」となります。

サービススタッフはお客様と一定の時間を過ごすことになるため、単に給仕をするだけではなく、会話なども大切になってきます。サービススタッフが宴会・会議の主旨をよく理解し、ホテルにまつわる話や近隣情報などを提供することで、大いに気に入ってくださることもあるようです。

この記事を書いたのは

奥泉 剛

大手ホテルチェーンの都内シティホテルにて、法人宴会セールスに従事。その後、派遣業界に身を投じ事務系や料飲系派遣の営業として勤務。現在は(株)INGにて転職相談責任者としてコーディネート業務


 

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