【初級編】ホテルの購買(用度)ってどんなお仕事?教えて!

ホテルの特徴的な職種のひとつに「購買」と呼ばれる部署があります。ホテルによっては「用度」という場合もあります。具体的はどんなお仕事でしょうか?今回、購買の仕事経験のある方に取材をさせて頂きましたのでご案内いたします。

購買の仕事内容

シティホテルでは毎日膨大な量の食材・飲材・資材を仕入れています。大型のホテルともなれば、食材だけでも毎日100200種類にも上ります。その仕入れる物品の価格交渉や検品、在庫管理を担当しているのが購買という部署になります。今回は食材を扱うポジションで仕事内容を追ってみたいと思います。

仕入れについて

ホテルは基本的に問屋から品物を仕入れます。例えば牛肉を扱っている問屋だけでもたくさんありますが、牛肉には産地(ブランド)も色々あれば肉質も様々です。そこで、豊富な種類の肉を扱い、総じて価格が安いことはもちろんですが、且つ安定して商品を供給できる問屋が選ばれる条件になります。ホテル新規オープンの際や、新たな食材を仕入れる時は、購買は問屋各社から食材の提案と併せて見積もりを提出してもらい、より良い条件を提案した会社を採用することになります。ただ1社に依存してしまうと、何かトラブルがあった際には供給がストップしてしまうリスクがあるため、複数社を同時に利用するのが通例です。

問屋は様々なメーカーや生産業者と取引があるため、食材を扱う問屋であれば、食材に関する流行など最新の情報が入ってきます。購買は問屋から仕入れた情報のうち、ホテルで有用と思われるものを取り上げて料理長はじめ調理部門スタッフに案内します。それが採用されて企画商品などにつながる場合もあります。(ホテルのマーケティングの仕事)

検品について

毎日、問屋から届く食材の納品に購買は立ち合い発注数と相違がないかを確認します。ここで大事なのは数が合っているだけではなく、仕入れた食材が新鮮か、品質が高いかを判断する目利きが必要だということです。目利きに関してはすぐに身につくものではなく、料理長や問屋から教わったり、卸売市場に出向いて仲買人に聞いて回るなどの努力が必要になります。目利きに関してはこれで十分ということはなく、購買に関わっている以上、ずっと勉強する必要があります。検品が済んだ食材については基本的に各調理場の冷蔵庫や倉庫に納品されます。

在庫管理について

ホテルは日々食材を仕入れては消費していきます。食材がひとつでも切れれば提供できない料理もある反面、予測を見誤って大量発注をすれば在庫として残り、場合によっては破棄せざるを得ないということも起こります。そこで購買と調理が密に連携を取りながら過不足のない細やかな在庫管理が必要になってきます。

購買のやりがい

購買には毎日のように多数の問屋が食材を売り込みに来ます。そこで耳寄りな情報をいち早くつかめるという立場上の特権があります。また問屋との料金交渉なども思惑通りに進めば達成感を感じられるでしょう。さらに経験や勘を働かせてうまく在庫管理ができればホテルへの貢献度も高くなります。ホテルの仕事に携わる人でも詳しく内容が知られてない業務ですが、購買がホテルに果たす役割はとても大きいのです。

購買がしたくてホテルに入社する人は滅多にいないと思いますが、なかなか面白そうな業務だと思いませんか?性格的には好奇心が旺盛であり、何事にも積極的でかつ人当たりの良い人が向いているといえるでしょう。興味のある方はぜひ目指してみてはいかがでしょうか?

この記事を書いたのは

奥泉 剛

大手ホテルチェーンの都内シティホテルにて、法人宴会セールスに従事。その後、派遣業界に身を投じ事務系や料飲系派遣の営業として勤務。現在は(株)INGにて転職相談責任者としてコーディネート業務


 

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